Myaga's blog

東方関連のことやDTM、いろいろ。

東方風自作曲の作り方(東方風自作曲「リフレッシングマッド」を用いた説明)

ご挨拶

国民の皆様!お待たせいたしました!(田中☐栄)
ようやく東方風自作曲の記事を出す決意となり、執筆させていただきます!
今まで細かいことでちまちまと記事を書いていたのも、ある程度ここで引用するためだったのです。
ここでも軽く説明できること(分かっておいてほしいこと)は書きますのでご安心ください。
ちなみに、Dominoでやっている方も多いでしょうから、ここでの添付画像はDominoを使います。あと、ここではDominoの導入方法などは割愛させていただきます。
あと、私が実際に作った東方風自作曲を例に出しながら説明していこうと思ってます。
↓こちらです。
youtu.be

それでは始めます。

1.まず初めに

東方風自作曲とは、「ZUN氏」が作曲している東方projectの楽曲の特徴や音源などを真似して作曲された楽曲の事です。
個人的に作曲者が東方風自作曲だと公言していれば、それはもはや東方風自作曲だと思います。
これはまあ、この記事にたどり着いている方はご存知かも知れませんね。

2.何をどうすればいい?

ここにいらっしゃった方には作曲をしたことない方もいらっしゃるかもしれません。
東方風自作曲を形成するのに必要な要素は、「東方の原曲をよく聴く」、「メロディ、ベース、ドラムなど複数の楽器」、「どの音を使って作曲をすればいいかの知識」、「コード進行の形成」などがあります。それらはどうすればいいのか一個ずつ紹介いたします。

「東方原曲をよく聴く」

こちらは各自でよく聴いてください。耳コピしてみるのも有効打です。

「メロディ、ベース、ドラムなど複数の楽器」

これはDominoでなんとかなります。メロディ・ベース・ドラムについては後ほど説明いたします。

「どの音を使えばいいか」


まずこちらはメロディにもベースにも言えることではありますが、基本は上記の「ラシドレミファソラ」の音です(Dominoの青じゃない方、つまり白い背景に沿ってください)。コード進行や雰囲気次第で青い背景を使うときもあるみたい(ゴーストリードの「テー↑テー↓『テー→』」の『』の音)ですが、それは各自のセンスで使うタイミングを見極められる日が来るはずです。

なお、雰囲気的な意味で大事な話ですが、東方では上記の画像の赤丸が付いている部分(第六音、または「ファ」)の音程はあまり使われない傾向にあります(転調した場合はその調における第六音です)。
つまり、「ラシドレミソラ」になるわけですね。
この部分をあまり使わずにメロディを作ることで、東方らしいメロディができるのだろう、と推察しています。
もちろん東方でもこの音を使っている曲もありますが、参考程度に。

「コード進行の形成」

コード・コード進行・ベースについてはこちらをご確認ください。

コード(和音)がなんなのか、どう組み合わせるべきなのかなど
omyaga.hatenablog.com

下記の二件は何度か必要になる場面もあるので、別タブなどで見ながら読むのをオススメします。

コード(和音)を組み合わせることで「コード進行」が生まれますが、それらのお気に入りを載せています。
omyaga.hatenablog.com

低音部分を担当するベースですが、コード進行に沿って動かす方法を載せています。
omyaga.hatenablog.com

3.作曲に取り掛かろう

下準備及び色々

とは言っても手は動かないものです。最初は誰でもそうです。
まずは曲の方向性を決めることからやるべきだと私は毎回思っています。
東方風と言っても、雰囲気や方向性の種類はたくさんあります。

  1. 道中曲風
  2. ボス曲風
  3. 秘封曲風

などがあげられます。1,2は〇面風などでさらに枝分かれします。
1,2,3のうちどれっぽく作りたいかが決まったら、1であれば道中曲、2であればボス曲のように参考にしたい曲をいくつか用意して聴いたりしながら作曲するのが最初はやりやすいと思います。
メロディは似がちですが、少しくらい気にしなくても大丈夫です!世の中には曲がたくさんあるので似るのは当たり前です!

そして、「何から始めるか」ですが、最初にテンポ(BPM)を大体160くらいに設定し、メロディなどを打ち込んでみて雰囲気が気に入らなければ遅くなり早くなりすればいいと思います。
ちなみに、打ち始めはメロディからでもコード進行からでもどちらでも構いません。やりやすい方からやってみるといいと思います。
ちなみに私はコード進行から打ってしまう派です。

また、曲の構成をどうするか考えておくのも大事かもしれません。
例として私の曲の「リフレッシングマッド」ですと、
『イントロ→Aメロ→サビ→イントロ→Aメロ×2→サビ×2』と言った「曲の流れ」になってます。
原曲でいえば自分の解析になりますが、
セラミックスの杖刀人だと『イントロ→間奏→サビ→間奏2→サビ×2→アウトロ』と言った流れになっております。イントロ・アウトロや間奏、Aメロ、サビについては後ほど説明します。
あと、この先楽曲については「リフレッシングマッド」を取り上げながら説明いたしますのでよろしくお願いします。

4.イントロ

イントロにも入り方が色々ありすぎて参考にする曲によってもちろん異なります。
例えば、

  1. 1ループで1回しか流れないイントロ(秘神マターラとか)
  2. 1ループで転調またはそのままで2回以上流れるイントロ(一対の神獣、クレイジーバックダンサーズとか)
  3. イントロのフレーズと似た、または全く同じフレーズをAメロだったりをサビにおいて裏で繰り返す曲(色無き風は妖怪の山に、山奥のエンカウンターとか)
  4. 何回ループしても最初の1回しか流れないフレーズ(芥川龍之介の河童、封じられた妖怪とか)
  5. メロディに入る前にドラムでワンフレーズ入る曲(信仰は儚き人間の為に、死体旅行とか)

まあこのような具合にいくつかに分類できます。私の癖としては、「2」をやりがちですね。
また、コード進行の変化が少ないイントロを見受けられることもあります(スモーキングドラゴンとか)

自作曲で分析

では私の曲(リフレッシングマッド)をお見せします。

調を変えているので赤くなっているところを「ド」だと思って見てください。
ノーツに関しては、青がメインメロディピンクがコード進行(ストリングス)赤がベース橙がドラムです。まず、こちらは先ほどの分類に割り振ると「2」になります。

コード進行

こちらのイントロはだんだん下がっていくコード進行(Am-G-F-Em)を使用しています

これはAm-G-F-Eですが似た響きなので引用

メロディの配置


メロディの音程を全て下に青いノーツで赤い背景の所に投影し、番号を1~4で振ってみました。
1と2は前半は同じですが、後半の配置は全く違います。3,4も然り。
こうすることでメロディに統一感が生まれ、安定したリズムになりやすいと推測しています。
自分はいつもメロディの音程は違くても配置は似るようにしています。(こちらはAメロ、サビでも言えます。)

この画像のように、最初はメロディをどんな配置にするかノーツを置いてから音程を変えるのもいいかもしれませんね。

ベース


途中からベースが参戦してきましたね。コード進行に沿ってデケデケ言ってるのが分かると思います。
自分は同じイントロ内でも違いを出したいという理由で途中参戦させがちなのですが、最初から入れるのでも全然アリです。

ドラム


ドラムは大体身体でリズムをとるとここだ!ってのがなんとなく分かります。
自分は最初は大体CrashとKickを同時配置してインパクトを出す癖があります。(これではやってないけど)
また、ハイハット「チッチチチッチチ(これ)」または「チチチチチーチチ(ClosedでチチチチのあとにOpenedでチー、Closedでチチ)」をよくやります。スネアはここに一発ガツンと欲しい!ってところに配置しましょう。自分のリズム感を信じましょう。

5.Aメロ

Aメロは言うなれば、サビに繋げるためのメロディです。
サビで盛り上げるために、徐々に盛り上げていく役目という大事な役目を担っています。
また、Aメロでなく「セラミックスの杖刀人」みたいに間奏的なのもあります。
個人的に思っている事ですが、間奏は「メインメロディがないコード進行に沿った機械的で、コード進行で盛り上げていくイメージ」、Aメロは「メインメロディがあり、メロディの動きで盛り上げていく自然的なイメージ」です。
間奏の方も緊張感があって好きですけど、自分はAメロでやりがちですね...

自作曲で分析

コード進行

こちらは二つの進行を組み合わせた進行を使っています。


なお、コード進行の1音目=1,2音目=2,3音目=3として、引用と同じように一文字8分音符として配置すると

1111-2222-33333333

となっていますが、

111111-22-33333333

のようにコードの長さが一定である必要はありません。リフレッシングマッドが後者であった為一応脚注です。

メロディの配置


一番左側はイントロから飛び出て鳴っているメロディです。東方でもありがちな手法なのでやってみるのも面白いと思います。
ちなみにまた赤い背景の部分に音の音程を全て落としてみました。
なんとなく法則性が見えると思います。
「テー〇〇テッテッテ」を基本とし、「テー〇〇テテテテ」に派生、アクセントで「テッテッテテーテテ」などの違うメロディ配置などを混ぜたりしてますね。
これって、メロディ作るうえでは結構重要でして、
この曲を作った時のことをまとめると、

「1」のメロディが出来た

コピペして「2」を作り、音程を違和感のない物に変える。

違いを出したいがために「2」を少し配置とメロディの量を変えた。

「1」をコピペして「3」を作り、音程を「2」から続いた場合違和感のない物に変える。

「4」は変化があると「アッ」ってなるので音程も配置も変えてみる(変えるかどうかは自由です)。

「1,2,3,4」をコピペし「5,6,7,8」を作ります。

「5,6,7」は「3」を作った要領で配置そのままで音程を変える、または「5、6」はそのままで「7」だけ音程を変えるとかもアリ。

「8」はAメロの終了なのできちんとサビに繋げる準備をする必要があります。
画像を見てもらうと、赤い背景(つまり「ド」)でノーツが終わってるかと思います。その調で基準となる音で終わらせることで違和感なくAメロを締めることができ、サビに行きやすいと思います。

という具合です。
なお、このAメロではハモってませんが、二回目のAメロにおいてハモるので、ハモりについてはまた別の記事で説明しようと思っています。

ベース


コード進行に沿って8分でデケデケしています。これくらいシンプルなベースの動きでも充分曲として成立しますので、ここはデデケデに変えるなり、コード進行に沿ってお好きなベースラインを弾いてみてください。

ドラム


やはり節の初めにクラッシュを置くのはやめられませんね。しかし置きすぎるとしつこくなるのでいい塩梅を目指してください。
Closed HHは「チッチチ」のままですが、この曲はイントロのドラムをコピペして多少変更したものなので似てしまっています(自分はコピペしちゃう癖がついてるので、あまりにすぎないように注意してください。統一感があるのもいいことですが...)。
スネアは節の後ろ側で連発や、奇数拍(裏拍子)で打つといいインパクトになります。奇数拍で連発するのは5節目あたりからでもいい気がします。

6.サビ

サビは曲において一番大事なところです。ここでどれだけ記憶に残りやすいメロディを生み出せるかが大事です。その曲の顔と言っても過言じゃないかもしれませんね。
サビは大体の場合、コード進行をF-G-Amまたはその派生で作ってしまいます。正直ワンパターンですが、この響きが東方らしいというかこだわりというか...
皆さんも困ったらF-G-Amを使いましょう。減るもんじゃないので。

自作曲で分析

コード進行・ベース


青=ピアノ緑=ベース橙=コード進行(ストリングス)
やはり、この曲においてもF-G-Amを使っています(画像ではD-E-F#mです)。
Aメロにおいてもこんな感じですが、F-G-Amを繰り返すことで気持ちいいです。
なお、ピアノの動きは「個人的オススメベースライン紹介の8番」をご覧ください。
ベースの動きはいつものデケデケです。

メロディ


赤=メインメロディ橙=ベース青=メロディを全て同じ音程にしたもの
一番左はやはりAメロからはみ出して鳴っているメロディです。いいぞ。
青いノーツを見ると、やはり1~4まで「テテテテ・テーテーテ・テテテテ・テテテテ(・)ーー」が元となっており、「4」だけが配置が変わると言ったさっきと似た感じです。

ちなみに、さっきAメロのお話で「赤い背景でメロディを終わらせると違和感なく締められる」とお話ししましたが、この場合は赤い背景で終わっていません。
まず理由としては、「完全な終わりでなく、次の二回目のサビ(1ループが終わるところ)で赤い背景のメロディを使い、本当の終わり感を出すため」です。

また、上記の画像のメロディの終わりの部分のノーツのオクターブ下を見ると、ベースの上側と同じ音程であることが分かります。ベースと同じ音程ということは、「コード構成音と同じ音」であるわけです(ちなみに赤い背景の音もコード構成音)。ここでコード構成音を使っておくことでハモった時違和感のない響きを生むことができるわけです。

サブメロディについて

橙=メインメロディ青=サブメロディ
メロディやベース、ドラムの他に裏でコッソリ鳴っている音があります。それがこの青いサブメロディです。
これ自体は本当に適当に打ち込んでおり、フィーリングで何とかしてもらうしかないかもしれません。
しいて言えば、メロディと一緒に鳴ることで違和感のない音程と言えばいいでしょうか。

例えば上記の画像の右側はメインメロディとは逆の方向(下)にメロディが移っていってます。こういうのを意識すると調和のとれたサブメロディになるのではないかと考えます。

ここまで作ってしまえばあとは二回目のイントロ・Aメロ・サビを作るだけです!(それも大変なんだけど)
なお、ドラムは大体同じ説明になってしまいますので省略します。

7.イントロ2


サビが終わったことで二回目のイントロに入ります。
変わった部分を説明すると、

  1. メロディ・コード進行・ベースなどドラム以外の楽器がすべて三個分下にずれている
  2. ベースが途中参加じゃなくなっている。

と言ったところでしょうか。
「1」については、「転調」という物で曲の構成において重要なものです。
転調することで雰囲気をガラリと変えることが可能です。展開にレパートリーが増えます。
私は「二回目のイントロとか同じ音程じゃつまらないので転調しちゃお」って考えで転調しちゃいますね。
「2」は一回目のイントロと差異を出したいがためにやったことだと思われますので特にお気になさらず。

8.Aメロ2


二回目のAメロに入ります。
また変わった部分を説明すると、

  1. 転調している
  2. メインメロディにハモリが付いており音が太くなっている。
  3. 二回繰り返しており、二回目からサブメロディが参加している。

と言ったところでしょうか。
「1」に関してはイントロ2で説明した通りです。
「2」に関してはAメロで言った通り後日説明いたします。
「3」に関しては紫のノーツを指します。
この場合は、メインメロディを簡略化したものだったり、音程を変えてみたりしたものとなっています。
見ていただくと紫のノーツ青いノーツと最初の部分が重なってるところが多いのが分かるかと思います。似たような動きをしつつ、違う動きをするとか(?)
後半からはけっこう自由に暴れまわってますが、こればかりは試行錯誤で違和感のない音程を探してください。(説明が難しい...)

9.サビ2


二回目のサビに入ります。
また変わった部分を説明すると、

  1. 転調している
  2. 二回繰り返しており、二回目から転調、トランペットが追加され、終わり方が異なる

と、意外と変わった部分は少ないです。
「1」に関してはイントロ2、Aメロ2と同じ調です。
「2」に関しては二回繰り返し二回目で転調+トランペットで演奏(俗に言うZUNペ)をすることでクライマックス感が出ます。

ちなみに転調は先ほど三個下がったのに対し、今度は三個上がったので元に戻った状態です。「いずれループするので元に戻しておこう」という魂胆です。
トランペットはメインメロディと同じメロディを奏でたり、違うメロディを奏でてみたりで様々な展開を生み出してます。音程が下がるべきところを上がってみたりすると二回目のサビって感じがします。

サビの終わり方が違うというのは「Aメロ」、「サビ」の項目でも話しましたが、「赤い背景でメロディを終わらせる」ということです。
「サビ2」のメインメロディの動きは「サビ」と同じ動きですが、トランペットがまた違う動きをし、トランペットが「赤い背景でメロディが終わっている」のがわかるでしょうか。分かりづらいので拡大致します。

紫=メインメロディ水色=トランペット
Dominoのカーソルがあるあたりからトランペットがメインメロディとは違う動きをしてるのが分かると思います。先ほど言った「音程が下がるべきところを上がってみたりする」と同じ考え方です。というかもはや、この曲の場合これ以外終わり方が考えられないくらいしっくり来る終わり方なわけです。終わり方で迷った場合はこれを参考にしてみてください。

その後は調も元通りになっているので1ループ終了となります。もしもサビ2で最初の調と違う場合は、次来るイントロで転調をして元に戻すなどをよくやってます。

10.終わりに

ほぼリフレッシングマッドの解説みたいになってしまいましたね...
でもこの曲はけっこう東方っぽい自信がありますので腕を振るって題材として使いました。
まとまっておらず分かりづらい文章でしたでしょうが、この記事があなたが東方風自作曲を作るきっかけになったら嬉しいです。
私も正直音楽の事をよく分かっているわけではありませんが、全く分からない人に教えることって出来るかな?という疑問からこの記事を作成いたしました。
もしもこの記事で分からないこと、この記事に載っておらずわからないことがあればここにコメントでも、TwitterのDMでもDiscordでも連絡をしてください。わかる限りお答えいたします。
長い間お疲れさまでした。
それではまた!


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