どうもお久しぶりです。みゃがです。
この記事に行きついた人は恐らく、「Session Guitarist - Electric Mint」の事を知りたい人なのではないでしょうか?
「綿月のスペルカード ~ 神海戦」に使われたイントロのあのギターの正体が何かを知りたい人なのではないでしょうか?
「エレクトーリックwwwミントォwwwミントォwww」とは何のフレーズなのかを知りたい人なのではないでしょうか?
今回はその疑問を解決いたします。
- はじめに
- 製品概要
- UIの見方
- 音を出してみよう
- メロディーとして弾くこともできる
- まとめ
はじめに
まずElectric Mintを使うには、いくつか準備が必要です。「DTM?DAW?なにそれ?」という方のために、軽くご説明します。
DTM(デスクトップミュージック)とは、パソコンやタブレットを使って音楽を制作することを指します。昔はスタジオに行かないと録音や制作ができませんでしたが、今は自宅でプロクオリティの音楽が作れる時代です。
そのDTMで中心となるソフトウェアがDAW(Digital Audio Workstation)です。楽器の音を重ねたり、タイミングを調整したり、音楽制作の「作業台」にあたるソフトで、Cubase・FL Studio・Logic Proなどが有名です。
DAWの中で鳴らす「楽器のデータ」のことを音源と呼びます。ピアノもギターもドラムも、DTMでは全て音源として用意します。
そしてKONTAKTは、Native Instrumentsが開発した音源プレイヤーソフトです。Electric MintはこのKONTAKT上で動きます。つまりDAW → KONTAKT → Electric Mintという入れ子構造になっています。
KONTAKTの導入方法については本記事では割愛しますので、別途ご確認ください。
製品概要
下記が「Session Guitarist - Electric Mint」です。
www.native-instruments.com
1960年製アメリカ製フェンダー・ストラトキャスター(ローズウッドネック)をサンプリングした、パターンベース*1のギター音源とマルチサンプルセットを組み合わせたKONTAKT音源であり、ロックンロール、ソウル、ファンク、R&B、レゲエ、ドリルなど幅広いジャンルに対応しています。
プレイバックエンジンが改良され、よりリアルなファンクパターンの再現が可能とのこと。
UIの見方
それでは早速画像と共に使い方を解説していきます。

左上部
①Vibrato
モジュレーションホイールでビブラートの深さ(かかり具合)を調整します。
②Vibratoの種類
ドロップダウンメニューからビブラートの種類を選択します。FingerはStringを曲げてピッチを上げるタイプ、Tremolo Barはトレモロアームを使ってピッチを下げるタイプで、それぞれSlow・Med・Fastの3段階があり、合計6種類から選べます。
③Impact
パターン演奏時の強弱・アクセントの強さを調整するスライダーです。MIDIキーボードのピッチベンドホイールで操作でき、中央がニュートラルで左右に動かすことで演奏の強弱をリアルタイムにコントロールできます。
④Chord
Electric Mintが現在演奏しているコードをリアルタイムで表示します。
右上部
⑤Sound Preset
アンプやエフェクトを含む音作りのプリセットを選択します。
また、Link to SongをONにするとソングプリセットを切り替えた際に、そのソングに対応したSound Presetも自動で読み込まれます。OFFにするとソングを変えても音色設定はそのままになります。
下部(Patterns)
⑥Song Browser
クリックすることで下記の画面を開き、ソングプリセットを選択します。

⑦Progression ▶
そのソングに付属のコード進行を再生します。
⑧+(Progression横)
コード進行をDAWにMIDIドラッグ&ドロップで書き出します。
⑨プレビューキー
MIDIドラッグ時のキーを設定します。
⑩パターンスロット
最大8つのパターンをスロットに登録し、キースイッチ(C1〜G1)で切り替えながら演奏します。
⑪◀▶(スロット内)
前後のパターンに切り替えます。
⑫虫眼鏡
Pattern Browserを開き、パターンを検索・変更します。
⑬Voicing
下記の画面を開き、コードのボイシングを設定します。As playedは鍵盤で押さえた音をそのまま演奏、Voicing 1〜5はプリセットのボイシングを使用、OFFは全パターン共通で常にAs playedになります。
⑭+(Voicing横)
ボイシングやフレーズをDAWにMIDIドラッグ&ドロップで書き出します。
⑮スパナ
パターンごとにリズム・アーティキュレーション・音量などを細かく調整できるパネルを開閉します。
パネルの中身はこちらです。

⑯Shift
パターンの開始位置をずらします。なお、これを14 Moody - 55 Moody Dで+16にすると「綿月のスペルカード ~ 神海戦」と同じパターンになります。⑰End
パターンの長さを短くします。拍子の異なるパターンへの調整にも活用できます。
⑱Tempo
1/2・1:1・×2からパターンのテンポ倍率を選択します。
⑲Style
パターンの奏法をOriginal・Open・Muted・Flageolet・Mixedから選択します。
⑳Fret Pos
仮想ギタリストが演奏するフレットポジションを変更します。高い値ほど柔らかい音色になります。
㉑Vol
パターンの音量を調整します。
下部(Guitar Setting)

㉒ Pickup Selection
ブリッジ・ミドル・ネックの3つのピックアップを切り替えます。ブリッジは明るくアタック感の強いサウンド、ネックは柔らかいサウンドになります。5つの組み合わせが選択可能です。
また、Doublingは左右にずらした2本分のギター信号を重ねてステレオ感を出す機能です。
㉓ Electric Signal
Volumeはギター信号の音量、Toneは明るさを調整します。
㉔ Mic
ストリング上部に設置されたマイクの音量を調整します。ピックアップ信号とブレンドすることでよりリアルなギターサウンドに近づけられます。
㉕ Muted Notes(Decay)
ミュートしたノートの音の伸び(減衰時間)を調整します。
㉖ Noise
Fretsはピッチ変化時に自動で加わるフレットノイズの音量を調整します。
Noise Floorは演奏中に加わる環境ノイズの音量を調整します。非演奏時はオフになります。
㉗ Tuning(Detune)
ギターの音程をずらします。微妙にデチューンすることでよりリアルな質感が出せます。
下部(Amps&FX)

- ㉘Amps & FXタブ
Amps & FXは選択中のエフェクトによってパラメータが丸ごと変わる性質上、個別の詳細説明が難しいのでご了承ください🙏
アンプ・エフェクトをチェーン形式で並べて音を作るページです。アイコンをドラッグ&ドロップで順番を変えたり、個別にバイパス(無効化)・差し替えができます。選択したエフェクトの詳細設定が下部に表示されます。
収録されているエフェクトにはIR Reverb(リバーブ)・Replika(ディレイ)・Solid EQ(イコライザー)・SuperCharger(コンプレッサー)・アンプモデル・キャビネットなどが含まれます。
一から音を作るのが難しい場合は、右上の⑤ Sound Presetからジャンル・用途別にまとめられたプリセットを選ぶのがおすすめです。
下部(Playback)

㉙PERFORMANCE
Humanizeはパターンのタイミング補正量を調整します。Quant.側に回すと完全にクオンタイズ(機械的なタイミング)、Original側に回すと録音された演奏そのままのタイミングになります。
Swingはリズムに跳ねたノリを加えます。16th(16分音符)か8th(8分音符)を基準に選択できます。
Feelはアクセントの位置をDownbeat(表拍)からOffbeat(裏拍)に移動させます。こちらも16th・8thで基準を切り替えられます。
㉚TIMING
Shiftはパターンのタイミングを前後にずらします。-50ms側でビートの前に、+50ms側でビートの後ろに演奏されます。
㉛LATCH MODE
キーを離した後、パターンが停止するまでの猶予時間を設定します。
㉜PATTERN SYNC
Sync to hostはDAWのテンポに同期してパターンを再生します。Start on a keyは最初にキーを押したタイミングからパターンを再生します。
㉝TEMPO
パターンのテンポ倍率をグローバルに設定します。1/2(ハーフタイム)・1:1(通常)・x2(ダブルタイム)から選択できます。
音を出してみよう
それでは実際に音を出してみましょう。まずソングブラウザから好みのソングプリセットを選んでください。例えば14 Moody - 55 Moody Dなど。
ジャンルや雰囲気でフィルタリングできるので、イメージに合ったものを探してみてください。
ソングを選んだらコードを入力してみましょう。MIDIキーボードで直接押さえるか、DAWのピアノロールにMIDIノートを打ち込むことで、パターンが再生されます。
演奏をすぐに止めたい場合はエンディングキー(G#1・A1・Bb1)を使いましょう。キーを離しただけでは、Latch Modeの設定に応じて少し鳴り続ける仕様になっています。また、スライドキー(B1)を使うと、音と音の間をなめらかにつなぐスライド奏法を表現できます。

(右下のピアノアイコンについて説明をしませんでしたが、ここを押すとキースイッチの説明が出てきます。)
メロディーとして弾くこともできる
Electric Mintはコードを刻むリズムギターとしてだけでなく、メロディーを奏でることもできます。
これを使うにはKONTAKTから通常の「Electric Mint.nki」ではなく「Electric Mint Melody.nki」を読み込んでください。画面左側がメロディー演奏エリアになり、コードを押さえる代わりに自由にギターのメロディーラインを弾くことができます。パターンは右側の4スロットで引き続き使えるので、パターンとメロディーを組み合わせた演奏も可能です。

奏法
メロディーエリアでは以下の奏法(アーティキュレーション)をキースイッチで切り替えながら演奏できます。
- Open(C1):最も一般的な奏法です。指やピックで弦を弾くサウンドです。
- Muted(C#1):ブリッジ付近に手のひらを当てて弾くミュート奏法です。こもった短い音になります。
- Flageolet(D1):ハーモニクス奏法です。弦の特定ポイントに軽く触れて出す、キラキラした倍音サウンドです。
- Tremolo(D#1):同じ音を高速で繰り返し弾くトレモロ奏法です。
演奏スタイル
また以下のスイッチで演奏スタイルを切り替えられます。
- Plectrum / Finger:上記の奏法をピック弾きか指弾きかで切り替えます。
- Poly / Mono:Polyは複数の音を同時に鳴らせるモード、Monoは単音モードです。Monoにすると音と音がなめらかにつながるため、ソロラインやメロディーラインに向いています。
パターンへの切り替えはキースイッチ(E1〜G1)を押し続けることで一時的にパターン演奏に切り替わります。
まとめ
ここまでのご精読大変お疲れ様でした。
これで皆さんもElectric Mintにさらに詳しくなれたのではないでしょうか。
Electric Mintのある、より豊かな生活を祈っております。
また、小ネタというかコードについてなのですが、⑬Voicingでも説明していますが、14 MoodyはデフォルトがVoicing 1になっているため、単音の指定だけでも7sus4(セブンスサスフォー)というコードで鳴ります。
普通に使おうとすると割と不協和音になってしまうケースがあるのですが、「As played」に変更してコードを鳴らすと普通にCminとかBとかが鳴ってくれるので、これで使ってみるのもなかなかクールです。
ちなみに、Pattern RhythmのShiftは+16がオススメです!なぜなら神海戦では「エレクトーリックwwwミントwwwミントwww」と鳴っていますが、+0(デフォルト)だと、「ミントwwwミントwwwエレクトーリックwww」になります。実際好みの問題にもなってきますが、+16がオススメです。
ちなみに金銭に関わる大切なお話なのですが、
Electric Mintを単体で買う(15,300円)よりかは、
間違いなくKOMPLETE 26を買った方がいいです。
理由は金銭面だけではありません。KOMPLETE 26 StandardにはElectric Mintを含む以下のような音源/エフェクトが一気に揃います。
- The Giant:世界最大のピアノをサンプリングしたピアノ音源。繊細でクリアなサウンドが特徴で、東方楽曲のピアノパートにも活用できます。
- Massive X:Native InstrumentsのフラッグシップWaveテーブルシンセサイザー。EDM・テクノ・ベースミュージックのサウンドデザインから、リードやパッドまで幅広く対応します。
- Session Strings 2:11人編成のストリングアンサンブル
- Session Horns:4人編成のブラスセクション音源。ファンク・ポップ・ネオソウルに最適
- Session Bassist – Prime Bass:70年代のソリッドボディベースを350以上のパターンで再現したベース音源
- Drumlab:アコースティックとエレクトロニックを組み合わせたドラム音源
- Guitar Rig 7 Pro:マルチエフェクトラック&アンプシミュレーター。Electric Mintとの組み合わせはもちろん、あらゆる楽器トラックのエフェクト処理に使えます。
- Raum:リバーブ。空間系エフェクトで音に奥行きと広がりを加えます。
- Replika XT:ディレイ。音を一定間隔で繰り返すやまびこ効果で、楽曲に厚みを出せます。
ギター・ベース・ドラム・ストリングス・ブラス、エフェクトが揃う、つまり下手したらこれだけで1曲作れる環境が整うわけです。東方風のサウンドを目指すなら、さらにAbsolute 7の追加も選択肢に入ってきますが、まずはKOMPLETE 26 Standardで十分すぎる環境が手に入ります。
※価格は執筆時点のものです。最新の価格はNative Instruments公式サイトでご確認ください。
Steinberg Absolute 7についてさらに脚注を入れますと、
Absolute 7にはZUNが東方獣王園(前作)まで実際に使用していた音源がほとんど収録されています。(虹龍洞ピアノや七夕坂ピアノ、虹龍洞クワイア、エレキギターなどを除く。含まれていないものもかなり多いです。)
つまりあのZUNサウンドを生み出した音源が大体手に入るということです。
東方風の楽曲制作を本気で目指すなら、KOMPLETE 26 StandardとAbsolute 7を揃えることで、より本格的な環境が整います。
*1:ようするに単音でなく、テンポに合わせて音が鳴るというものです。












































































